ある日突然届いた、母親の訃報。
そこには債務についての記載がありました。
親は離婚していて、母親とはもう数十年も会っていない状況だったので、想像もしていなかった事でした。
父親もすでに他界しているため、もう一人の相続人である妹にさっそく連絡し、相続放棄の手続きをとることになりました。
この記事では、兄弟まとめて相続放棄したときの話をまとめています。
相続放棄のやり方については、こちらの記事を読んでみてください。
突然の債務通知
その通知は、母親の居住地の役所から届きました。
戸籍をたどってくるのでしょう。
通知に記載されていた債務については十数万円とそれほど大きな金額ではなかったので、支払ってしまおうかとも思いました。
ですが、もしかしたら他にも債務があるかもしれないと考え、相続放棄手続きをすることにしました。
プラスの資産については無いだろうと、これまでの状況から判断しました。
資産と負債が他にもあるのかないのかはっきりとは分からない状況ではありますが、面倒なことはゴメンだ!という思いでの相続放棄です。
妹に連絡をとる
さっそく、もう一人の相続人である妹に連絡をとりました。
妹も同じく相続放棄を希望ということで、相続放棄についてさっそく調べました。
兄弟まとめて手続きすると、必要な戸籍も一通でまとめて提出できるので、わたしが取りまとめて手続きすることにしました。
相続放棄の手続きは、死亡を知った日から3か月以内に手続きをおこなうこととなっています。
手続き自体は難しいものではありませんでしたが、書類の郵送などで意外と時間がかかるので、早めの行動をおすすめします。
特に兄弟が遠方の場合・戸籍が遠方の場合は、早めに着手しましょう。
必要書類を手配する
私たちの場合、必要な書類は大きくわけて3つでした。
- 被相続人(母親)の書類 ※住民票除票と戸籍謄本(除籍謄本)
- 相続人(私と妹)の書類 ※戸籍謄本
- 相続放棄申述書
①被相続人(母親)の住民票除票と戸籍謄本(除籍謄本)
まずは、母親の住民票除票の取得です。
そもそも母親の住所も知らなかったのですが、債務通知に住所の記載があったので請求することができました。
母親の死亡時の住所がある区役所に行くと、母親と私の関係を証明する必要があると言われました。
赤の他人が住民票を請求することはできないということです。
そこで、自分の戸籍謄本を取得しました。
自分の戸籍謄本には母親の記載があるので、親子関係が証明できます。
戸籍謄本のコピーを添付して、無事、住民票除票の取得ができました。
続いて、母親の戸籍謄本(除籍謄本)の取得です。
本籍地は、先に取得した住民票除票で確認することができます。
「戸籍謄本」と「除籍謄本」どちらを請求するのか?
除籍謄本とは、その戸籍に記載されている人が誰もいなくなった状態の戸籍のことをいいます。
うちの場合は、母親一人の戸籍だったため、除籍謄本の請求となりました。
ちなみに除籍謄本というものを知らなかったので、戸籍謄本を請求したところ、役所から「除籍謄本になります」という連絡がありました。(※除籍謄本とは誰もいなくなった戸籍のことです)戸籍謄本と除籍謄本では手数料が異なるので、差額分の定額小為替を追加で郵送し、無事に取得することができました。
②相続人(私と妹)の戸籍謄本
本籍地が遠方の場合でも、今はマイナンバーカードがあれば、お近くのコンビニで発行することもできます。
しかし、自治体によってはコンビニ交付に対応していないこともあるので、その場合は郵送で請求することとなります。
兄弟で同じ戸籍であれば、一通の戸籍謄本で済みますね。
別の戸籍であれば、それぞれ取得する必要があります。
③相続放棄申述書
相続放棄申述書については、わたしがパソコンで作成しました。
作成したといっても、相続放棄申述書の書式はPDFでダウンロードできるので、それを印刷して記入するか、パソコンで入力するかの違いです。
パソコンで作成しても、署名と印鑑は必要です。
というわけで、作成した書類を妹に郵送して、署名捺印し返送してもらいました。
→相続放棄申述書の書き方については別記事でまとめます。
書類を提出する
上記の書類が揃ったら、家庭裁判所に提出します。
申立てをする裁判所は、被相続人(死亡した人)の最終住所地です。
うちの場合は、東京家庭裁判所でした。
わたしは都内在住なので直接裁判所に行くこともできますが、平日に時間を取って行かなければならないことを考えると手間なので、郵送で送付しました。
郵送の場合、送った証拠が残るように、特定記録やレターパックなどで送ることをおすすめします。
ちなみにわたしは、レターパックライトで送付しました。
その他、手数料など手続きの流れは別記事にまとめていますので、参考にしてみてください。
回答書が届く→返送
相続放棄申述書を送付してから約2週間後、回答書が郵送で届きました。
回答書の見本は、こちらの記事を参考にしてみてください。
この回答書に記入して返送すれば、手続きが終わります。
ところが、妹の書類については不備があったようで、追加の戸籍謄本が求められました。
具体的には、姓が違うので親子関係の確認がとれないというものでした。
この件については、後日別記事でまとめますので参考にしてみてください。
手続き完了!
回答書を返送して約2週間後、「相続放棄申述受理通知書」が届きます。
この通知が届いたら、手続き完了となります。
「相続放棄受理証明書」の申請用紙も同封されていたので、必要な場合は返送するといいですね。
ちなみに、使わなかった連絡用切手も同封されていました。
こうして無事に、兄弟まとめて相続放棄の手続きが完了しました。
はじめは、自分でできるのか?と不安でいっぱいでしたが、
終わってみればなんてことない。といった感想です。
単純に、相続放棄をするということであれば、自分でできる手続きだと思います。
弁護士や司法書士に依頼すると、やはり費用がかかります。
相続放棄をすると決めたら、ぜひ自分でやってみてはいかがでしょうか。
相続放棄の体験談をいくつかの記事にまとめていますので、参考になれば幸いです。